バブルへゴー!

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この映画は、伊武雅刀演じる『芹沢良道』という大蔵省銀行局長の1990年3月の総量規制通達がバブル崩壊の原因であるという設定で、この通達を止めることで日本の失われた10年を無かったことにしてしまおうというストーリーとなっている。

まず、この総量規制そのものがバブル崩壊の原因であるかどうかという点が疑問ではあるが、ストーリー上はそうなっている。


基本的な作りは、バブルを最大に謳歌してきた年代の人々が、その時代を懐かしみ、もう一度濡れ手に粟の時代が来て欲しいという哀しい思いをこすりつけたという映画だ。

そのため、その世代を知る人々には『ニヤリ』とするシーンが多々登場する。

カメオ出演をしている数名の人物は、やはり過ぎた年月は隠せず、観ているこちらが実際の時の流れを感じてしまう。
どちらかというと1990年当時を再現している六本木の町並み等の方が、懐かしさをより一層引き起こすように感じる。


失われた10年を過ぎ、不景気の傷跡・爪痕は深く残ってはいるものの、少しずつ景気が回復してきたこの'00年代中盤に、バブルへの未練が残る大人達がこのような作品を作りたくなる気持ちも分からなくはない。
もしかしたら、芹沢良道のモデルであろうと思われる『土田正顕』が2004年に亡くなったことも、このタイミングになった原因なのかもしれないが。


しかし、作り方はかなりチープで、当然のことながら深い考察などは一切無い。
自分たちの未練が全面に押し出てしまうことを恐れて、深いテーマを入れることが出来ずに単なるドタバタ喜劇としてまとめたという感が否めない。


さらに、自分たちの同世代がバブル時期の素晴らしさを言っても伝わらないという考えからか、広末涼子という1980年代生まれの女優に『バブルってサイコー!』と叫ばせている。

全般的には、この映画はバブルを謳歌したことのある人々が昔を懐かしむために観るためのものであって、若い人が観てバブルってすごい!と思うようなものではない。

逆に、本作中で強調されているようなバブルの姿を観ても、今の若者達は嫌悪感を示すのではないだろうか。
『この時代の人たちが、このような振る舞いをしたせいで、今の自分たちは苦しみを押しつけられている』
そのように若い人たちが受け取ってしまいかねないのではないだろうか。

そこまでひねくれた考え方をしなくとも、あまり良い気分にはならないだろう。

単なるドタバタ劇としてみる分には構わないが、観る年代によって見方を変えないといけないだろう。


バブルへゴー! (了)


バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スペシャル・エディション
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監督:馬場康夫


バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション
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監督:馬場康夫


誰が国賊か―今、「エリートの罪」を裁くとき
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著:谷沢 永一 , 他


バブル崩壊 (新風舎文庫 そ 103)
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著:相馬 尚文



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たまたまDVDを観る機会があった。
内容はともかく、色々と考えさせられる点もあったので、書籍ではないが、たまには映像作品についても。

バブルを弾けさせる切欠となった、1990年当時の大蔵省による土地取引総量規制を食い止めるため、タイムマシンで過去に行くという話。
ホイチョイ作成ということで、本作にリアリティを求めることはできないが。

バブル景気(およびバブル崩壊)の定義は、特に期間などにおいて諸説あるようであるが、一般的には1985年のプラザ合意と考えられている。
既に20年以上前の出来事になってしまったプラザ合意は、今の若い人々にとっては教科書の中の出来事であろう。
(そもそもバブル景気というのが教科書の中の出来事かもしれないが)

これを引き金として急激な円高を招き、さらには金融緩和による過剰な流動性が発生したこと等により、強烈な投機熱が日本列島を覆った。
それが1980年代末期の超絶好景気をもたらす。(平成景気)
しかしながら、この好景気は実体経済とはかけ離れた資産価値の上昇によるものであったため、『バブル経済』と呼ばれる。

この間には、巨額の海外投資も多数行われ、三菱地所によるロックフェラー・センター、ソニーによるコロムビア映画の買収等は世界的なニュースとなった。


そして、1989年4月に消費税が導入され、続いて1990年3月、当時大蔵省銀行局長であった土田正顕(つちだまさあき)より『土地関連融資の抑制について』(通称:総量規制)に端を発し、急激な金融引き締めが実施された。
この金融引き締めは、まるで振り子の振幅が最も大きかったところから、突然反対の最大振幅まで振られたようなインパクトを日本経済に与える。

これは1989年の日経平均株価最高値38,915円87銭から1990年10月に20,000円を割り込むという急激な株暴落の進行を見ても分かる。
ここから先は失われた10年という暗澹たる90年代を進むことになる。


バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スペシャル・エディション
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監督:馬場康夫


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