突然日本を襲った巨大
震災を生き抜くサバイバルストーリー。
作者の
望月峯太郎は『
バイクメ〜ン』『
バタアシ金魚』などで独自の世界観と雰囲気を持つ作家で、特にクセのある絵柄は好き嫌いが分かれるところだろう。
かく言う筆者もこの作者の絵柄は苦手だと思っていた。
しかし、本作を読んで、絵柄で敬遠したままでなく、読んでみて良かった。
漫画でこんな表現方法があったのかと感心することさえあった。
ストーリーは、高校生の主人公が修学旅行途中の新幹線に乗っている最中、トンネルに差し掛かったところで巨大な揺れに襲われ、閉じ込められるところから始まる。
抜け出せるか分からない閉鎖空間で、正常な精神を保つことが難しい感覚を上手く表現しており、そこから続くもっと大きな
災害の世界に移る前に読者をこの『
ドラゴンヘッドの世界』に閉じ込めることに成功している。
読者はあたかも主人公達と同じように
災害の世界に取り込まれた感覚になるだろう。
この効果は更に物語が進んでいった時に一層効力を発揮し、中盤から後半のストーリーの加速時に読者をダレさせない。
また、グロテスクではないが、登場人物に対する作者のある種容赦ない姿勢が、『どうせ助かるんだろう』と言ったような予定調和的、ご都合主義的な考えを差し挟む余地を最小に抑えており、変に冷めさせることもない。
この辺りは、映画などと比較するよりも、大ヒットしたゲーム『バイオハザード』などと較べた方が面白いかも知れない。
読者(=プレイヤー)を物語の世界に捕らえ、何が起こるかわからないという感覚を常に与え続けるという手法だけでなく、この漫画作品を読んだ感覚は一人称の視点からパニックの中をサバイバルしているものに近いと思う。
それ程ストーリー、表現ともに評価できる。
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